環境学習会「市民参加による里山林の保全・管理を考える」に参加
2月18日(日)東松山市環境学習会2018(第2回)が、市役所総合会館303会議室に於いて開催されました。講師は、国立研究開発法人森林総合研究所多摩森林科学学園の主任研究員:島田和則さんであり、参加者は約50名ほどで会場は、ほゞ満席でした。
写真.1:森林総合研究所 島田和則氏の講演風景
埼玉と東京(多摩地方)は、地域フロラが同一のような所なので、多摩地区での研究成果や調査事例から、市民参加による里山林(雑木林)の保全と管理をテーマとして考える場合には、
・まず現地をよく見る(人との関わりから見た林のタイプ、どういう植物が生育しているか)
・そのままで、何か問題はあるのか
・問題があるとすれば、どうすればいいのか
・管理の目的を明確にし、適切な目標林を設定する
・永続的に責任を持って管理を継続できるのか
・モニタリング
・やり方に問題はないか。問題があったとき、フィードバックして修正する仕組みを作れるか、等々であった。
写真.2市民参加による里山林の保全と管理に関する考え方
講義内容は、河川と同様に社会的共通資本として捉えることにより、自治体(県、市など)、土地所有者(里山管理者)、住民、市民団体などが想定する最終型の森(=目標林)などを、協働してどのような管理・保全をするか、ということを植物学的遷移、景観創出、レクレなどのニーズやシーズに対応しなければならない、というような内容であった。
一般市民からは、具体的に東松山市「岩殿の市民の森」の潜在植生がクヌギ、コナラ林なのに、外来種であるテーダマツが極相林の形で残存し、その林床は松の葉の異常な堆積により、林床植物の多様性(植物フロラ)保全を阻害し、表層土壌の流出・地形崩壊、近隣田畑への被害が進んでいるとの指摘があった。
河道横断構造物同様に、ステークフォールダー(市役所や利害関係者)による協働型の維持管理が進まないと、一向に解決しない問題が残っていることを痛感させられる講演であった。
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