お知らせ
古代の荒川・利根川の流路域に存在する「野本将軍塚(古墳)」とは?!
12月9日(日)、東松山市民文化センターの大ホールに於いて、「野本将軍塚古墳の時代」と題したシンポジウムが、開催されました。古墳時代の文化伝搬も、河川形成の影響で形作られていることが分かりましたので、その一端を紹介いたします。
写真1:シンポジウム会場で、野本将軍塚の歴史的説明がなされる
徳川家康の江戸入府以来、樹枝状に分岐や合流を繰り返していた利根川と荒川は峻別され、洪水防止や水田開発のため、関東郡代伊奈代官らによって、前者は「東遷」し後者は「西遷」につながる治水・利水工事を行った。
そして、八代将軍吉宗時代の関東郡代の治水工事で、利根川と荒川は分離したことが知られています。
比企郡川島町の自然堤防下の地下堆積物を、精密分析したところ弥生時代の紀元前の堆積物には、火山性鉱物元素が多く混入されており、明らかに上州・群馬県境の火山地帯から利根川が、大宮台地の西縁(鴻巣、北本、吉見、川島等)を流下して、東京湾に注いでいたことが明らかになっている。
つまり、弥生以前の大河・利根川は、群馬県域からそのまま荒川や入間川を束ねて、大宮台地の西側低地部を蛇行しながら、東京湾に注いでいたことが確認されております。
図1:古墳時代の比企における遺跡の分布図(市野川と都幾川周辺)
特に、弥生時代~前期古墳に稲作文化をもった集団が西方から移住し、まず比企地方に定着を始め高坂台地の反町遺跡(都幾川右岸集落)や東松山台地の五領遺跡(市野川の右岸集落)を形成し、下野本に全長115mもの前方後円墳を造成したものと推定されています。
その後、古墳時代後期には網目状に南へ流下していた利根川・荒川を越えて古代縄文式文化は北上し、現在の行田市周辺に稲荷山古墳や将軍山古墳をもつ「埼玉古墳群」へと移住・伝搬していったと言われています。
市野川改修工事に関する住民説明会(於:新宿自治会館)への参加
11月30日(金)19時より、東松山県土整備事務所河川砂防部主催で、東松山市新宿町・山崎町の自治会長・市会議員・住民を主体とした、「市野川改修工事」に関する説明会が行われました。
写真1.住民説明会で県土整備事務所からの挨拶・事業説明
参加者は35名でしたが、櫻井河川砂防部長の挨拶に続き、高橋課長・伊藤工事担当から、PPTを使用してH29年度までの堤防補強工事、H30年度以降の諏訪堰改築工事の概略説明がなされました。
写真2.唯一住民に配布された、市野川改修工事・諏訪堰改修状況図(1/50,000)
一通りの説明がなされた後で、質疑応答があり、住民からは次の様な質問がよせられました。①補強工事を行う根拠は?②ゲリラ豪雨が全国的に発生している中で、完成後の安全率はどのように試算されているのか?③諏訪堰はどのようなもので、完成後の維持管理は、どこが行うのか?④住民・子供達が堰や水辺に近づいた場合の、安全対策はどうなっているのか?⑤市野川橋(百穴前)下流の篠竹繁茂がきつすぎるので伐採や除草をやって欲しい⑥堤防上の散策路の維持・管理を、心掛けて下さい。などの意見や希望の発言がなされました。
全体の感想・評価としては、漸く、重い腰を上げて住民説明会を開催した点は評価できるものの、①配布資料が、「改修状況図」一枚と準備不足が著しい②工事の殆どが、国・関東地方整備局からの「社会資本整備総合交付金」で行っているので、全体計画・進捗を管理できず、諏訪堰の移設・完成時期を明らかに出来ていない③H24年時点で、当協議会へ提出された「整備計画書」や「諏訪堰魚道計画図」など一切が明示されない④全体計画で、河積断面が確保されてからの「低水部」の環境保全と、生態系に配慮した多自然川づくりについては一切触れることが無かった説明会であった。
市野川(東松山市新宿・山崎町)の水鳥・冬鳥バードウォッチングを実施
今年の5月に、東松山市立新宿小学校が『野生の生きものとふれあう学校』指定(埼玉県環境部みどり自然課)されました。それに伴う活動として、11月22日(木)学校の東側を流下する市野川の右岸堤防上から、5年生全員(3クラス75名)によって、秋~冬季の野鳥と水鳥の探鳥会(バードウォッチング)を実施致しました。
当協議会では、これまで地上の鳥類や昆虫類、植物調査などで、NPO法人自然観察指導員が多く所属している東松山自然観察倶楽部(代表:金子恒雄さん)と協働して活動した経緯から、協働の環境学習として進めることになりました。
写真1.小学校内体育館内での探鳥会レクチャー(11.12)
これまで、毎年3年生(市野川探検と水辺観察)と6年生(生き物調査と水質調査)の定期調査を、当協議会の環境学習支援として、暑い夏の7月に実施して参りましたが、今後は4年・5年・6年の高学年が継続して調査や観察を行い、県みどり自然課へ定期的に報告することになる、とのことです(学校側)。
写真2.探鳥会で、プロミナーや双眼鏡を使用して観察する方法の訓練(11.22)
去る11月12日(月)に、体育館に福田教頭先生・担任教諭をはじめ、5年生全員によるPPTによる「探鳥会のレクチャー」を開講し、その10日後の22日に当協議会(1名)と自然観察倶楽部(4名)による、現地探鳥会(約2時間行程)を実施しました。観察器具であるプロミナーや双眼鏡の使い方を児童達に指導した後、3クラス(班)ごとに指導員が付き添い、市野川の右岸堤防を南下しながら観察とチェックリスト記入を行いながら、曇りがちな天候の下でバードウォッチングを体験しました。
写真3.堤防上で、指導員による鳥類観察の実地講義(11.22)
観察結果は、大型の鳥類ではダイサギ、アオサギ、カワウ、オオバン、カルガモ、クチボソガラスなど、小型の鳥類ではカワラヒワ、イカルチドリ、セグロセキレイ、スズメなど、15種類を確認しましたが、コハクチョウなどは未だ飛来していないことが確認されました。
写真4.児童達による観測と調査票の作成
写真5.農業用水「諏訪堰」の水面に休息するガン・カモ類の観測(11.22)
第15回ふれあい市野川クリーンアップ作戦に参加
11月10日(土)、前日からの小雨も降り止み、晴天の中第15回ふれあい市野川クリーンアップ作戦が実施されました。作戦協議会の会長・事務局は東松山ロータリークラブに設置されており、東松山むさしロータリークラブと協働で、東松山県土整備事務所(河川砂防部)のバックアップ(支援)で実施されたものです。
当日は、吉見町・東松山市の河川担当課は勿論、環境担当課(水質等)からも大勢が集合し、市野川周辺に位置する企業や、両自治体の周辺自治会の方々、小中学校の協力団体から570名の参加者が、市野川吉見百穴前の高水敷きに集まって開会式後に、河川敷き両岸の清掃活動(ゴミ拾い)に出発しました。
写真1.埼玉県・東松山市・吉見町の「ゆるキャラ達」も参加した開会式(570名)
当協議会は、第1回目から毎年、川に親しむ活動(生き物採取・展示)のイベントを担当してきており、第14回目から、近隣の新宿小学校の「飼育委員会」を交えて生き物展示を行うことになって、今年もPTAを加えて5名の共同採捕・展示作業を手伝って頂きました。
写真2.仕掛けた網から、協議会員・小学生による魚類・爬虫類・甲殻類(エビ等)の採捕作業
写真3.清掃作業の後や地域間交流(豚汁会)で、ミニ水族館の観察を楽しむ参加者たち
写真3.清掃作業の後や地域間交流(豚汁会)で、ミニ水族館の観察を楽しむ参加者たち
国営武蔵丘陵森林公園の『第33回ぬま祭り』に協力参加
10月21日(土)、滑川町に拡がる国営武蔵森林公園で開催された「第33回ぬま祭り」のイベントを委託された比企自然学校へ、活動支援を行ってきました。
写真1:比企自然学校で設置した、あざみ沼生き物のミニ水族館
主な業務は、前々日に主要なあざみ沼に仕掛けた網(4基)から採捕された生き物(魚類、甲殻類、両生類、水生昆虫等)のミニ水族館を設営すること、コイやウナギ(養殖)、両生類のタッチングプールを子供達に開放すること、申込みのあった子供達(30人)のウナギ掴みとり大会を仕切りながら、ザリガニ捕りの見守りをすることであった。
写真2:子供達は、通りがかりに必ずチャレンジするザリガニ釣り
写真3:人工溜池(ブルーシート)の「ウナギ掴みとり大会」に夢中な子供達
滑川町では、「あざみ沼」など多くの溜池では、古くからコイやフナ、ウナギなどを貴重なタンパク源として内水面漁業を営んできた歴史があったので、特殊なウナギ掻きブチヤスなどが伝承されており、本日の大人達は近代的な四つ手網・タモ網などを仕掛けたりして、放流されたウナギやコイを時間内に採捕する漁獲競争を楽しんでいました。
写真4:昔からの漁法も交えた、大人達のウナギ、鯉とり大会
比企自然学校のホームページに掲載されている当日の報告記事と現場写真⇒http://hikishizengakko.org/20181021.html
第15回ふれあい市野川クリーンアップ作戦 開催ご案内
去る8月22日の「ふれあい市野川クリーンアップ作戦協議会総会」において、1ヵ月先の11月10日(土)にH30年度(第15回)クリーンアップ作戦が、実施・決定されました。作戦協議会の事務局(東松山ロータリークラブ)から、案内のチラシ等や参加者名簿(障害保険適用)が届いておりますので、参加頂ける方は比企の川づくり協議会(渡辺090-5573-1028)まで、ご一報頂ければ幸いです。当協議会のイベント担当役割は、チラシにもあるように『川に親しむ(市野川の生き物採取・展示)』イベントを実施することになっており、河川環境美化活動に参加希望の皆さま・近隣にお住まいの方々等のご参加をお待ちしております。
なお、当日の車での参加は、吉見百穴駐車場に制限があるため、駐車出来ない場合もありますので、乗り合わせの上ご参加下さい。
写真.第14回作戦での「生き物採集・展示」会場(市野川 吉見百穴前)
資料.第15回ふれあい市野川クリーンアップ作戦 案内チラシ⇒第15回クリーンアップ作戦 表裏面.pdf
アユ漁体験と魚捕り(越辺川・鳩山町)に、児童達と共に参加!
9月9日(日)、NPO法人荒川流域ネットワーク主催の地曳網とタモ網で、越辺川に伝わるアユ漁を体験し、捕れた魚を味わう毎年の恒例イベントに、児童連れで参加してきました。アユ漁体験区間は、越辺川の石今橋上下流地点で、国土交通省荒川上流河川事務所による、河川敷き草刈り支援も行われており、直接河川敷に駐車も可能なところで、約80名の親子参加者によって実施されました。
写真1.NPO荒川流域ネットワーク(主催者)による開会の挨拶(石今橋直下の河川敷にて)
比企地方で行われてきた、刺し網(約50m)を上流に固定し(石・鉄ペグによる網の仮固定)、約200m下流からもう一つの刺し網を全員(50名位い)で、アユを含む全魚数を上流まで追い込み、投網・タモ網・素手で採捕する漁法です。子供達の中には、水中メガネをかけて網にかかったアユなどを手づかみで捕っている者も見られました。勿論、川あそびも兼ねているため、全員ライフジャケット装着が原則です。
捕れた魚は、ミニ水族館で埼玉県国際環境センターの金澤顧問から、分類・解説を受け、用意された天麩羅装置で天麩羅・唐揚げなどで食用に供されました。
暑い時期でもあったので、何時も用意される「かき氷」も飛ぶように売れていました(会費を支払った者は、何杯でも食べられます!)。
写真2.下流から刺し網で追い込んで、投網で採捕する魚捕り集団(親子約50名)
写真3.手づかみで、アユ(放流)をゲットした子供達(女)
「環境カレッジ・川ゼミin市野川・羽尾地区」へ協力参加
9月8日(土)、(公財)埼玉県生態系保護協会主催の「第3回環境カレッジ・川ゼミ」が滑川町羽尾地区を流下する、市野川蛇行河川にて行われました。地元でエスコート役を担って戴いた「市野川水系の会イン滑川町」の、木村会長、上野廣さん・澄川清治さん(お二人は当協議会々員)らを加えて総勢18名が、羽尾一区集会所に集合し、地域住民と連携した市野川でのいい川づくりの取組みについて事前情報交換を行いました。
写真1.羽尾一区集会所(滑川町)にて、市野川視察・川ゼミの開催
保護協会主催の環境カレッジには、大宮・春日部・越谷など埼玉東部から参加して頂いた方々が多く、河畔林が多く残っている羽尾地区の蛇行河川沿いのエクスカーションには、充分堪能して頂いたようです。鑑賞時期を
過ぎてしまい、わずかに残るキツネノカミソリ自生地(蛇行河川A、B地区)では、その広さと水辺の清涼感に感心していたようでした。
ただ、C地区・D地区では、河床や護岸工事の未整備と、上流からの土砂供給で河床上昇で、蛇行部を恒常的に流れず「瀬切れ」を起こしている現状を視察してもらい、県土整備事務所との恒常的なコンタクトする重要性を認識して頂きました。
写真2.高橋(蛇行河川B地区)下のキツネノカミソリ保全地区にて、木村会長からの説明
「あつまれ!くらかけっこ!」in 鞍掛清流の郷
8月23日、東松山市の主催で野外体験学習イベントの「あつまれ!くらかけっこ!」が40組の小学生親子の参加で行われた。歴史ある河童会議の改編2年目。市民団体として「比企の川づくり協議会」が水生生物観察と川遊びを受け持ち、前日に仕掛けた網で捕獲された魚類や川エビ類などを展示し、名前や特徴を説明。また川遊びではライフジャケットを装着したときの水に浮く体験、タモ網を持っての「ガサガサ」を行いました。
写真1.:林間に40組の親子が揃って開会式や準備体操など(主催者挨拶は東松山市環境保全課より)
マスの掴み捕りが最初のメニュー。川の水に入っていくと、不安定な砂利と苔のある滑りやすい玉砂利で思うように歩けない。そして水の中の魚(ニジマス)は速い。しかしながら、これだけの人数のため、あっという間に全部捕まえられてしまった。あとは炭火焼きで舌鼓と共にみなさんのお腹の中に。
時々元気が良くて水槽の外に飛び跳ねるオイカワ。それぞれのエピソードなどやさしく解説しながら参加者は図鑑と下敷きを持って水槽の中を覗き込む。こまかな特徴などはアクリルケースに入れて、みんなの手元まで持っていって見ることができる。名前は覚えられないけれど、これだけの種類が生息している川の素晴らしさは理解された・・と思う。
写真2.:事前採捕された魚類、甲殻類(エビ類)のミニ水族館にて生き物学習
写真3.水槽内に展示されたオイカワ、カワムツ、カマツカ、タモロコなど
次は、ライフジャケットをつけた時の「浮いて流れる」体験。安全に流れるには足を下流側に!そして頭を水に浮かせて浮遊感に浸りながら、何もしないのに体が流れていくのでみなさん大興奮。ガサガサがなかなか始まらない。タモ網で川岸の草の下からガサガサ。川の中央で素早く泳ぐ魚を見つけて空を切る網さばき。おもいおもいに夢中になっていく。こうして楽しいイベントは終わった。ダブル台風の余波で雲の流れが早い。直後に一転俄にかき曇り、土砂降りの通り雨。慌てて雨宿り。その後の太陽を見ながら片付け作業が始まった(以上、S会員よりの投稿)。
写真4.「浮いて流れる」川あそびの体験
市野川蛇行河川の中州には、キツネノカミソリ(ヒガンバナ科)が満開
滑川町羽尾地区を流れる市野川の蛇行・中州では、毎年(8月上~中旬)キツネノカミソリの群生が見られ、花茎を30〜50cmほど伸ばし、先端で枝分かれした先にいくつかの花を咲かせます。雌雄同花で花弁は、橙色をしたカミソリ刃の形をした6枚です。
葉の形や花と葉を別々に出すところ、有毒植物である点ではヒガンバナ(別名、マンジュシャゲ)と共通するが、花の形および葉と花を出す時季は異なります。保全活動を行っている市民団体「市野川水系の会イン滑川町」では、毎年群落が満開になる時期に「鑑賞会」を企画しており、本年度は8月4、5日に開催されました。
写真―1 蛇行河川C地区(中州)の河畔林中に咲き誇るキツネノカミソリ
当日は、(公財)埼玉県生態系保護協会(さいたま市大宮区)の堂本泰章事務局長・布川洋之研究員ら3名が、当地にて「環境カレッジ・川ゼミ」を開催すべく、事前下調べに来場されており、土砂流出などで河川整備が遅れているにも拘らず、中州の下草管理や除伐などの河畔林保全が進んでいることに、興味を示して頂きました。
9月8日(土)の「環境カレッジ・川ゼミ」では、全県からのゼミ参加者が訪れて、市野川での自然と調和した川づくりの取組み状況を視察・見学される予定です。興味ある方々との意見交換など、多くの方々が参加されんことを期待しております。
ゼミ資料PDF⇔ 環境カレッジ・川ゼミについて.pdf
写真―2 キツネノカミソリ鑑賞会で、生態系保護協会の方々と意見交換風景
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